カーブジェン（東京都渋谷区）は、微生物推定支援AIソフトウェア「BiTTE®-iE」の提供を開始した。このソフトウェアは、グラム染色像に対するAI画像解析技術を利用し、高精度な微生物推定を可能にする。具体的には、グラム染色画像と培養検査による菌種確定結果を学習した画像認識AIモデルを構築し、その推論結果を用いる。本ソフトウェアをダウンロードしたスマートフォンを光学顕微鏡にセットし、スマートフォンのカメラでグラム染色画像を撮影すると、微生物推定結果が即座に表示されるとのこと。

「BiTTE®-iE」は、医療、食品、畜産、化粧品業界など、微生物検査を行うさまざまな業界での活用が見込まれる。初回1力月間は無料で利用でき、App Storeからアプリ「BiTTE」をダウンロードして利用できる。7種分類（グラム陽性/陰性、桿菌/球菌、酵母様真菌、複数菌、菌体なし）を即座に推定するとのこと。

カーブジェンは、薬剤耐性（AMR）とワンヘルス（One health）についても言及している。20世紀に初めての抗菌薬が開発され、急速に世の中に抗菌薬が普及するとともに、抗菌薬への耐性を獲得し、その効果を得にくくなる「薬剤耐性菌」が現れた。なかでも広範あるいは完全な薬剤耐性を持つと考えられる細菌は「スーパーバグ（superbugs）」と呼ばれ、世界的な課題としても注目されている。実際、2019年には世界で約100万人以上が薬剤耐性菌に関連して亡くなったと見積もられており、さらに2050年には年間の死者数は1,000万人にも及ぶと推定されているという。

カーブジェンは、バイオロジーとデジタル技術の融合を通じて、独自に開発したAI解析技術を応用し、薬剤耐性問題の解決及びワンヘルスへの貢献を目指して「BiTTE®-iE」を開発した。このソフトウェアを通じて、検査実務者の経験などに左右されることなく、適正な微生物推定を行うことが可能となるとのことだ。