デジタルハーツ（東京都新宿区）は、メタリアルの子会社であるロゼッタ（東京都千代田区）と共に、ゲームやアニメ、漫画などのエンターテインメントコンテンツの多言語翻訳に適したAI翻訳エンジンの共同開発に合意したと発表した。2024年春以降の利用開始を目指し、両社のノウハウや最新のAI技術を活用した新たなAI翻訳エンジンの開発を進めていくとのことだ。デジタルハーツは、ゲームの不具合検出を行うデバッグ事業や、翻訳・LQAなどのローカライゼーション・サービス、カスタマーサポートサービスなどを通じて、国内外のゲームメーカーのグローバル・クオリティ・パートナーとして、ゲーム・エンターテインメント業界の発展を支えている。一方、ロゼッタは、AI自動翻訳の開発・運営を行っており、国内外6000以上の企業・団体で導入され、医薬、法務、IT、半導体などさまざまな分野で活用されている。エンターテインメントコンテンツのグローバル化が進む中、多言語翻訳による世界同時発売などを実施し、グローバル展開を加速させたいというニーズが増加している。そこで、デジタルハーツとロゼッタは、エンターテインメントコンテンツの翻訳スピードの改善と機械化による翻訳品質の安定化を目指し、ゲーム向けAI翻訳エンジンの共同開発に着手することを決定した。共同開発するAI翻訳エンジンは、日本語及びEFIGSCKK（英仏伊独西繁簡韓）の計9言語の相互翻訳に対応し、人による翻訳に比べて業務効率を大きく改善することで、翻訳時間をこれまでの半分程度まで短縮することを目指す。また、多言語にまたがる翻訳においては、複数の翻訳者が作業するため、各個人のスキルや解釈により、翻訳されるテキストのニュアンスやスタイルにばらつきが生じるリスクを伴うが、今回開発するAI翻訳エンジンにおいては、必要とする言語の数に関わらず翻訳品質のばらつきをなくし、より高品質な翻訳サービスの提供を目指す。