東京都中央区に本社を置くエモスタは、心理学と感情認識AIの実装に豊富な経験を持ち、LLMを活用した社会シミュレータ事業を開始した。この事業は、スタンフォード大学とGoogle社の共同研究を基に、心理学の知見をもとにチューンアップしていく予定だ。この技術の本格的な活用には、産官学のさまざまな知見を統合する必要があり、広く協業パートナーを募集している。社会シミュレータは、LLMを用いて人間を模した複数のエージェントが自律的に生活し交流する様を観察、解析できるサービスだ。これにより、組織・社会・心理学的分野において、従来困難だった比較実験が容易に行えるようになることが期待される。具体的には、都市計画、政策決定、建築デザイン、組織設計、オペレーション設計などの分野で活用が想定されており、建設、デベロッパー、自治体をクライアントとするSIerなどの企業からも初期的な関心が寄せられている。社会シミュレータの具体的な活用例としては、都市計画やデザインのシミュレーションが挙げられる。新しい都市エリアやコミュニティーの計画段階で、住民の行動をシミュレートすることができる。これにより、交通の流れや公共施設の利用度、住民間の相互作用などを事前に評価し、最適な都市デザインを検討することが可能となる。また、建築や不動産開発においても、人々の動きや活動をシミュレートすることで、効果的な建物や住宅地のデザインを考えることができる。エモスタは、この社会シミュレータ事業を実際に社会にとって有益なものにするために、共同開発パートナーを募集している。年内には実験や成果の概要を見定め、2024年には実験の実施と成果の発表を目指している。