FastLabel（東京都品川区）は、AIデータプラットフォーム「FastLabel」をEVERSTEEL（東京都文京区）に提供し、鉄スクラップの画像認識AI開発におけるアノテーション作業を効率化したと発表した。EVERSTEELは鉄のリサイクル原料である鉄スクラップをAIで解析し、品質管理と品質向上を推進するソリューションを開発・提供している。しかし、鉄スクラップのデータにアノテーションするためには高い専門知識が必要で、アノテーションできる人員が限られていた。また、パソコンになじみのない現場の人材が多く、複雑なアノテーションツールを使いこなせていなかった。そこでEVERSTEELは、アノテーションツールをリプレースすることを決定。海外を含む他社ツールと比較した結果、FastLabelを採択した。FastLabelは現場の担当者でも使いやすいUI/UXを持ち、画像認識に当たり、単純なクラスの分類だけでなく、属性の設定など、データに合わせて細かく設定が可能である。また、レビュー機能により、アノテーションデータへ直接コメントを入力するなど、2段階認証（アノテーションレビューの仕組み）がツール内で完結する。FastLabelは、AI開発が欧米と比較して遅れている要因として、AIに学習させるデータの作成環境が整っていないことにボトルネックがあると考えている。そのため、2020年1月の創業以来、教師データ作成代行やアノテーションツールの提供を主力事業として展開し、データ作成コストの7割削減、AI精度の3割向上を実現している。そして、AI開発の各プロセスを包括的にサポートするAIソリューション「AIPaaS」の提供も開始した。今後も、システムと業務の両面からAI開発プロセスを効率化し、AI開発に取り組む企業、研究機関のインフラとなることで、日本社会におけるAIの普及を支えていくとしている。