日本科学未来館（東京都江東区）は、研究開発の最新情報を提供するシリーズ企画「Mirai can NOW（ミライキャンナウ）」の第5弾として、「コトバにならないプロのワザ～生成AIに再現できる？」を9月13日から開催する。詩人の谷川俊太郎さん、お笑いコンビ・スピードワゴンの小沢一敬さん、子育て経験をもとにした著書のある大場美鈴さんの3人が、生成AI（チャットGPT）を活用して、言葉にならない自らの暗黙知、プロの“ワザ”の再現に挑戦した。その様子は会場でオリジナル動画として公開される。AIの技術は、翻訳や画像認識などのタスクで人間以上にうまくこなせるようになってきた。さらに、チャットGPTなどの生成AIは、私たちが普段使っている言葉で指示や対話ができ、さまざまなタスクを柔軟にこなせる。この特徴を生かして、3人の言葉のプロがチャットGPTと対話し、詩やお笑い、子育てなど人間のコミュニケーションの奥深さを“ワザ”として語る。大場氏は「チャットGPTが言うことは正論過ぎて子育てには……」と戸惑い、小沢氏はお笑いネタで苦戦し、谷川氏は自作の詩について「特に意味はない」といわれてしまう。しかし、チャットGPTとの対話を重ねる中で、3人はAIが生成するテキストと自らの感覚の間のずれに気付く。そして最後に、チャットGPTとの関係について、その可能性を語る。さらに、生成AIの普及によって再び議論が起こっている「人間の知能、知性、創造性とは何か」という問いを整理したパネル展示と併せて、この技術がここまで話題になった要因や、人や社会への影響について、来場者と一緒に考える科学コミュニケーションに挑戦する。