マネーフォワード（東京都港区）の研究組織「Money Forward lab」は、国立研究開発法人理化学研究所と日本語のLLMに関する共同研究を開始すると発表した。理化学研究所の革新知能統合研究センター言語情報アクセス技術チームと連携し、2024年3月末までに、LLMを日本語でも高い精度で利用するためのインストラクションデータの開発を目指す。LLMを特定の言語や分野に特化させて高い精度の出力結果を得るためには、ファインチューニングなどの技術を用いて再度学習させることが必要だ。本研究では、日本語による幅広いタスクに対応できるLLMの実現を目指し、インストラクションチューニングに活用できる質の高い日本語インストラクションデータを開発することに注力する。また、マネーフォワードの事業の一つであるバックオフィス向けSaaS事業において活用可能なLLMを実現するためには、日本国内の経理財務や人事労務領域に特化したインストラクションデータが必要となる。本研究を通して、企業のバックオフィス領域で活用可能なインストラクションデータの構築ノウハウを蓄積し、データの開発にも取り組む。Money Forward Labは、これまでの研究開発で得たLLMのチューニングノウハウを生かし、本研究で開発されたデータの評価・分析する役割を担う。本研究を通して獲得したノウハウやデータは、今後、会計やカスタマーサポートなど、同社サービスやバックオフィスでの活用を検討していく。