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2023年8月21日、長崎大学とNECの子会社であるNEC OncoImmunity AS（以下、NOI）は、高病原性病原体や熱帯病病原体に対して、AI技術を活用したユニバーサルワクチンの設計に関する共同研究を開始することを発表した。この共同研究は、2022年に長崎大学が国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）の先進的研究開発戦略センター（SCARDA）の「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」に採択されたことに基づいている。今回の共同研究では、AI技術を活用して、熱帯地域で流行している特定の病原体だけでなく、近縁種の病原体にも効果を発揮するユニバーサルワクチンの設計を目指す。NOIは、AI技術を活用して免疫機構を活性化するユニバーサルワクチンを設計し、長崎大学は最先端の研究基盤と熱帯病フィールド拠点で採取した感染症回復期の試料を用いて、効果的なワクチン開発に向けた検証データを収集する。また、この共同研究の一環として、長崎大学熱帯医学研究所に感染ゲノム学分野を設置した。NOIのチーフサイエンティフィックオフィサーであるTrevor Clancyが教授として着任し、NECのワクチン創薬に携わるメンバーも参画する。これにより、AIやコンピューター技術を活用した熱帯病基礎研究を推進し、感染症における免疫機構の関係性解明を目指す。この共同研究により、AI技術を活用したユニバーサルワクチンの開発が進み、熱帯感染症の予防に大きな貢献が期待される。