パナソニック ホールディングス（大阪府門真市）は、「確率的生成モデル」と「自己教師あり学習」の関係性をコンピュータービジョン分野で初めて解明し、AIが画像の特徴を自動で理解する画像認識AIを開発したと発表した。AIは大規模なデータセットを用いた学習を通じて、画像中に映る物体の特徴を把握する。しかし、大規模なデータセットには、人が見ても判断が難しい「不確実性の高いデータ」がしばしば存在し、AIの学習を阻む。この不確実性がAIの品質を下げることから、近年解決すべき課題として大きな注目を集めている。パナソニックHDの新たな手法は、従来難しかった画像の不確実性を考慮した学習を実現するため、「確率的生成モデル」と「自己教師あり学習」を初めて理論的に統合した。また、実験により、これまで「自己教師あり学習」で難しかった画像中の特徴の不確実性を推定できることを実証した。AI学習に必要とされるデータの「量」と「質」の課題を解決し、AIの信頼性を高められる汎用的な技術として、今後幅広い分野で活躍することが期待される。この技術は、「自己教師あり学習」のアルゴリズムを俯瞰できる理論を確立した学術的な貢献と先進性が国際的に認められ、AI・コンピュータービジョン技術のトップコンファレンスであるIEEE/CVF International Conference on Computer Vision （ICCV） 2023に採択された。2023年10月2日から2023年10月6日にフランスパリで開催される本会議で発表する予定だ。