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AIロボで脳卒中後の上肢運動機能を回復-順天堂大

Generatived

2023年8月25日

順天堂大学(東京都文京区)大学院医学研究科リハビリテーション医学藤原俊之教授らの研究グループによる、「AIロボットリハビリテーションによる脳卒中後上肢運動機能の機能回復」に関する研究成果が、米国神経リハビリテーション医学会の学会誌Neural Repair and Neurorehabilitation誌で公開された。脳卒中の後遺症による手の麻痺は、回復率が低く、実用レベルまで回復するのは15~20%にとどまるといわれている。手の麻痺は日常生活動作や職業復帰にも影響を与えるため、重要な問題となっている。これまでのリハビリテーションでは、患者の意図に関係なく決まった動作を繰り返すか、患者の動きをアシストするものが主流であり、重度な手の麻痺の回復は困難だった。そこで、順天堂大学の研究グループは、「患者の意図を生体電気信号からAIが判別し、麻痺した手を思い通りに動かすAIロボット」を開発し、脳卒中後の手の麻痺のリハビリテーションに使用し、その効果を無作為化比較試験で検証した。このAIロボットは、麻痺した前腕に3対の電極を置き、脳から手に送られる電気信号のパターンを解析する。これにより、重度な麻痺で手が動かない患者でも、患者の意図を読み取り、麻痺した手を動かすことができる。研究には脳卒中後2力月以上経過した手の麻痺が残存している患者20名が参加した。参加者は無作為にAIロボット群と他動ロボット群に分けられ、AIロボット群では週2回、計10回のトレーニングを行った。その結果、AIロボット群では上肢運動機能の改善が認められ、リハビリテーション終了4週後にも効果が維持されていた。また、日常生活での麻痺手の使用頻度も改善された。この研究により、AIを用いた新しいリハビリテーションロボットが脳卒中後の麻痺手の機能を改善することが示され、新たなリハビリテーション治療法として期待されている。同ロボットは既に国内のクラスⅡ医療機器認証を取得しており、今後の臨床での使用が期待されている。この研究は、今まで回復が困難であった脳卒中後の麻痺手の回復を可能とする新しいリハビリテーション治療法として期待されている。本研究はNeurorehabilitation and Neural Repair誌のオンライン版に2023年4月11日付(出版5月号)で公開された。タイトル:New artificial Intelligence-Integrated Electromyography-Driven Robot Hand for Upper Extremity Rehabilitation of Patients With Stroke: A Randomized Controlled Trial.著者:Yuhei Murakami, Kaoru Honaga, Hidemi Kono, Koshiro Haruyama, Tomofumi Yamaguchi, Mami Tani, Reina Isayama, Tomokazu Takakura, Akira Tanuma, Kozo Hatori, Futoshi Wada, Toshiyuki Fujiwara著者(日本語表記): 村上悠平、補永薫、河野英美、春山幸志郎、山口智史、谷真美、諌山玲名、高倉朋和、田沼明、羽鳥浩三、和田太、藤原俊之著者所属:1)順天堂大学大学院医学研究科リハビリテーション医学 2)順天堂大学保健医療学部理学療法学科DOI: 10.1177/15459683231166939本研究はメルティンMMI社との共同研究の基に実施された。

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