シオノギヘルスケア（大阪府大阪市）、塩野義製薬（大阪市中央区）、ピクシーダストテクノロジーズ（千代田区）は、2022年の世界アルツハイマーデーに締結した3社の業務提携に基づき、音で認知症に挑む「ガンマ波サウンド」をより多くの方に体感いただく取り組みを展開することになったと発表した。認知症は記憶・学習、言語能力、判断能力などの認知機能が障害されることで、本人の生活の質（QOL）が低下し、介護者の心身や経済的な負担にもつながる疾患である。高齢者人口の増加とともに認知症の有病者数はさらに増加すると予想されている。塩野義製薬とピクシーダストテクノロジーズは2021年より、感覚刺激による脳のリズム活動の変化に着目した新しいサービスの開発に向けた共同研究に取り組んでいる。共同開発した「ガンマ波サウンド」は、テレビやラジオなど、日常のあらゆる音をリアルタイムに40Hz周期の音に変調することで、日常生活を送りながら認知機能ケアできる可能性がある音である。40Hzの周波数は、ヒトが記憶や推論などの問題解決型の思考をしているときに現れる脳波「ガンマ波」と同じ帯域であり、認知機能障害時には、脳内で認知機能を発揮するのに必要とされる脳の特定のリズム活動（ガンマ波）が低下していることが特徴の一つとして報告されている。塩野義製薬とピクシーダストテクノロジーズは「ガンマ波サウンド」がヒト脳内でのガンマ波が惹起されることを確認しており、今後も「音刺激による脳活性化および認知機能改善」に向けたエビデンス構築と共同研究のさらなる推進に取り組むという。また、塩野義製薬、ピクシーダストテクノロジーズ、シオノギヘルスケアは、「ガンマ波サウンド」の可能性に共感頂ける方々と共に、さまざまな「音」のある社会の幅広い場所で、多くの方に、ガンマ波サウンドを聴いていただく活動を展開していくとのことだ。音という新たなアプローチで認知症に挑み、一日でも早く多くの方の希望となれるよう社会浸透を目指していくと述べている。