FIXER（東京都港区）と世田谷区は、8月23日から「官民連携テーマ設定型Azure OpenAI Serviceによる行政改革の実証研究」を開始したと発表した。この事業では、FIXERと世田谷区が共同で、生成AIを活用した区民向けの対話型AIチャットボットサービスの研究に取り組む。サービスは、FIXERが開発・提供するAzure OpenAI Serviceを活用したエンタープライズ向け生成型AIサービス「GaiXer （ガイザー）」上に構築される。この事業では、世田谷区の公開情報を学習した生成AIが、区民からの問い合わせ内容を想定した会話で、世田谷区特有の情報をもとにした回答案を生成できるか否かを検証する。また、生成AIの回答に対する利用者の評価を通じて、問い合わせの解決率や回答品質などの効果測定を行う。この実証事業は9月30日まで行われ、その結果を通じて、区民一人ひとりがさらに暮らしやすい世田谷区への進化を支援することを目指している。GaiXerは、ChatGPTなどに代表される生成AI技術を活用した行政・企業向けサービスだ。Azure OpenAI Servicesを軸に開発し、データ保護機能、アクセス制御機能に特化し、業種別のテンプレートを活用したプロンプト作成支援や、ウェブサイトや社内マニュアルなどの学習に基づく高品質な回答の生成など、日々機能を強化している。また、クラウド上のさまざまなサービスと結合することで、カスタマーサポート支援や、文書作成業務の効率化など、幅広い分野での活用を可能にしている。FIXERは、クラウド基盤である「Microsoft Azure」が本格的にサービスを開始する前の2009年に創業し、2010年の正式サービス開始と同時にエンタープライズシステムのクラウド化を引き受け、日本におけるクラウドの黎明期からAzure普及の一翼を担ってきた。