プラスゼロ（東京都世田谷区）は、生成AI技術「ChatGPT」の信頼性問題を解決するため、独自のAI技術「AEI（Artificial Elastic Intelligence）」の開発を進めている。ChatGPTは高い回答精度や対話能力で注目を集めているが、回答の信頼性が問題視されている。プラスゼロは、AEIをChatGPTと適切に組み合わせることで、信頼性が担保された回答を引き出すことが可能となるとしている。プラスゼロは、一定以上の信頼性が要求される業務において生成AIとAEIを組み合わせることで自動化が可能と考えている。具体的には、求人領域、広告領域、製造領域、金融領域などで、業界や企業内のルール、関連法令、過去の不具合事例などを踏まえた業務遂行が可能となる。また、プラスゼロはHR領域において、ChatGPTとAEIを組み合わせることで業界ルールや法律に適合した求人作成を自動化するデモンストレーションを公開した。ChatGPTのみを活用した場合と比較し、どのような違いがあるかを例示している。具体的には、ChatGPTが作成した求人には、勤務時間が法律上の上限に抵触したものになっている、最低賃金を下回っている、4週4休が保証されていない、という問題点がある。これに対して、プラスゼロがAEIを活用して開発した求人広告・求人票向けルールチェックサービスのシェパードHRとChatGPTとを組み合わせることで、これらの問題を解消した求人広告を自動で作成できる。「AEI」は特定条件に絞ることによって実用的な水準での業務遂行を可能とする技術で、ChatGPTの信頼性を高めることができるという特徴を有している。プラスゼロは2021年9月に、「意味理解AI」に基づく特許を取得し、一連の取り組みを通し、人間の言葉を高いレベルで理解できる「意味理解AI」の研究開発を進めることにより「AEI」は実現されるとしている。