一般社団法人X-Legal協会は、弁護士向けリーガルリサーチAI「LAWBO」の提供を開始した。LAWBOは、弁護士の主たる業務であるリーガルリサーチをサポートするAIだ。弁護士にとって使いやすい存在として、まずはLINEアプリにて無償提供される。利用には本協会への会員登録が必要だ。現在は民法の範囲での提供だが、順次会社法、刑法、その他法令へと対応範囲を広げていく予定だ。LAWBOを活用することで、アソシエイトやパラリーガルに依頼したり、自身で行うリーガルリサーチをLINE上で気軽に依頼することができる。ChatGPTを活用しているため、自然な対話形式で回答を得ることができる。また、条文や判例などの参考情報も提示してくれる。同協会は、ChatGPTの生成AI技術と100万件以上の法律データを組み合わせ、高精度な回答ができるAIを目指している。ただし、現状ではAIが専門家と同程度の精度で回答することは困難だ。弁護士による最終チェックは必須だ。LAWBOは、弁護士による最終チェックの内容を再学習させることで性能を向上させる機能を備えている。LAWBOは活用されるほど、弁護士の知識・知恵・経験を吸収し、法改正や新しい法解釈に対応しながら成長していく。LAWBOの利用方法は以下の通り。まず、LINEにて「友だち追加」をし、同協会の会員登録を行う。LINEアプリ上で必要事項を入力すると、すぐにLAWBOとのチャットを始めることができる。今後の展開としては、QAサイト形式での提供や複数の会員弁護士での回答添削が可能になる予定だ。会員弁護士間のナレッジ共有や効率的かつ民主的なAIの育成が可能になる。LAWBOの開発は、早稲田大学大学院の吉田学氏を中心とするチームによって行われている。吉田氏はAIの研究において多くの実績を持ち、AI技術に関する表彰を9回受賞している。LAWBOの開発にはMicrosoftの支援も受けており、AzureやOpenAIを活用している。