Google DeepMindの現地時間7月17日の記事によると、同社とGoogle Researchは、医療業界向けの信頼できるAIツールの作成で一歩前進した。Nature Medicineに掲載された両組織の研究者の共同論文は、医療画像の正確な解釈をいつ予測AIツールに依存するか、いつ臨床医に委ねるかを決定するAIシステムであるCoDoC(相補性主導型臨床延期ワークフロー)を紹介している。

CoDoCは、予測AIモデルが不確実性を認識できるようにする簡単なAIシステムを提供するものだ。大規模な再エンジニアリングを必要とせずにAIモデルの信頼性を向上させる。予測AIモデル、臨床医の解釈、およびグラウンドトゥルース(ground truth)データからの信頼スコアを考慮して、正確な意思決定を保証する。さらにこのユーザーフレンドリーなツールは、医療提供者向けの予測AIツールを強化し、独自のAIモデルと互換性を持たせる。

GoogleとGoogle Researchは、最適な結果を達成するために、CoDoCを使った医療現場における人間とAIのコラボレーションを模索している。仮説のシナリオでは、英国の大規模なマンモグラフィデータセットにおいて、真の陽性を見逃すことなく、偽陽性を25%削減した。

医療機関とも連携

国連プロジェクトサービス事務局の結核阻止パートナーシップを含むいくつかの医療機関がCoDoCの開発に協力している。CoDoCのコードをGitHubでオープンソース化することで、Googleは透明性と安全性を促進し、研究者が現実世界のAIモデルを強化できるようにするという。

精度と効率の向上を実証するために、現実世界のデータセットに対する包括的なテストも行われた。その仮説シミュレーションでは、CoDoCは臨床医の介入を必要とする症例数を3分の2減少させたという。
Googleはさらに外部パートナーと協力して、実際の医療現場におけるCoDoCの潜在的な利点と相互作用を評価している。CoDoCのようなテクノロジーを医療分野に導入するには、関係者に臨床医とAIの相互作用を理解してもらうことが必要だからだ。そのために特定の医療AIツールと設定を使用してシステムの検証を進めるとしている。