AndroidPoliceの記事によると、GoogleはAndroidアプリ用のGoogleメッセージ向けの「Magic Compose」を公開した。AIを活用し、ユーザーに高度な提案と会話の拡張を提供し、メッセージングを効率的かつ魅力に変えるものだ。

この機能はGoogleのイベントI/O 2023で発表されたもので、現在米国だけで展開されている。背後では対話型AIモデルであるBardを使っている。ユーザーはBardを利用してメッセージを作成できる。現在のところ利用できるのは、メッセージアプリ内のRCS(Rich Communication Services)会話に限定されている。

Googleは、Magic ComposeをPlayストアでメッセージのベータプログラムに参加している米国のプレミアムGoogle One加入者に優先的に提供した。これは、ロイヤル・スクライバーにプレミアム機能を提供するという同社の戦略に沿うものである。

ユーザーはアプリの設定メニューからMagic Composeの機能を有効にする必要がある。Magic Composeを有効にすると、Remix、Excited、Chill、Shakespeare、Lyrical、Formal、Shortなど、テキストを強調するさまざまな提案やスタイルが提供される。入力したテキストの横にある鉛筆のアイコンをタップするだけで、ユーザーはメッセージのさまざまなトーンやスタイルを検討できる。

一方、Magic Composeは正確なサジェストを生成するために、最大20件の過去のメッセージが一時的にGoogleのサーバーに送信する。その盗聴や悪用が懸念されるが、Googleは、これらのメッセージは速やかに破棄され、データの保存やAIの学習は行われないとしている。ユーザーは、エンドツーエンド暗号化(E2EE)によるセキュリティーと、RCSチャットにおけるAIの潜在的な利点のどちらかを選択することになる。

Magic Composeベータ版の公開より先に、競合であるMicrosoftもSwiftKeyキーボードアプリに同様の機能を導入している。この機能は当初Android向けのみだったが、今ではiOS

版も出そろっている。ユーザーがトーン、フォーマット、長さをカスタマイズする機能を提供しながら、提案されたメッセージでテキストメッセージや電子メールを構成することができる。

このようなAIが人間のコミュニケーションにどんな影響を与えるか、そしてGoogleとMicrosoftの競争がこれから何を生むのかに注目しよう。