Politicoなどが報じたところでは、GoogleのAIチャットボットBardは欧州連合 (EU) におけるプライバシー規制に直面している。AI分野におけるデータ保護に関連する課題が浮き彫りになった形だ。 個人データの取り扱いに関しては地域ごとにさまざまな規制があるが、EUでBardがプライバシー問題に直面したことで、その複雑さが浮き彫りになったった。

Googleは、 EU域内の主要データ規制機関であるアイルランドデータ保護委員会(DPC)からの懸念を受け、AIチャットボット「Bard」のEU内での公開を延期することを決定した。 DPC は、BardのEU一般データ保護規則(GDPR)へのコンプライアンスに関してGoogleが提供した情報に不満を表明した。 GDPRは、個人データの収集、処理、共有を管理する厳格なガイドラインを定めている。このため、DPCはGoogleに対して、Bardがデータ保護に及ぼす影響に関する追加の質問に対処するよう緊急に要求した。

Bardは米国や英国を含む180カ国での展開に成功しているが、 EUではまだ公開されていない。 これは、 EU内のプライバシー規制当局の権限が強化されており、データ保護規制の違反に対して罰金や制裁を課すことができるためだ。

Bardが直面している課題は、AI の文脈におけるプライバシーとデータ保護の重要性を浮き彫りにしている。そのEUでの立ち上げの遅れは、プライバシー基準を遵守し、データ保護措置に関する透明性のある情報を提供することが、規制機関の信頼と承認を得るために不可欠であることを想起させる。 データプライバシーが最優先される時代において、企業はこれらのハードルを乗り越えて、責任を持ってコンプライアンスを遵守したAIテクノロジーの使用を保証する必要がある。