LeapMindが、同社のコア技術である極小量子化技術を駆使して開発した超低消費電力AIアクセラレーターIP「Efficiera(エフィシエラ)」が、業界トップクラスの電力効率107.8TOPS/Wを達成したと発表した

「Efficiera」は、GPUやエッジ向けAIアクセラレーターと比較して約5〜100倍の性能を同じ消費電力で発揮することが可能であり、現在市場に存在するデバイスに対して大きな差異を見せている。

AIタスクの拡大に伴い、ハードウェアのスケーラビリティーに関する課題も浮上している。OpenAIの分析によれば、AI処理の計算量は指数関数的に急増しており、従来の性能には対応しきれないシステムに備える必要があるとの指摘がある。このため、高性能AIチップの搭載デバイスの省電力化が重要になっている。特に、スマートフォンやARグラスなどのエッジデバイスでは、AIチップが安定して処理できる電力は1W未満が望まれる一方、自動運転などの高度なAI処理を必要とする場合は約25W程度が求められるとされている。そのため、エッジAIにおいては高い電力効率が求められるのだ。

LeapMindは、このような課題に対応するために、「Efficiera」に極小量子化技術を採用している。1bit weight x 2bit activationという超低ビット量子化により、精度低下を最小限に抑えながらも、電力効率、演算効率、面積効率を高めることが可能だという。さらに、「Efficiera」専用のモデルコンバーターによって、ハードウェアの実行効率が最適化されている。

LeapMindのCEOである松田総一氏は、「Efficiera」による高い電力効率とAIタスク処理性能の両立がAIの社会実装に不可欠であるとし、この成果を重要なマイルストーンだと位置付けている。今後も顧客の課題解決に努め、AI技術の進化に貢献していく姿勢を示している。