MetaとMicrosoftは現地時間7月18日にMicrosoft Inspire 2023の中で、AzureとWindowsでMetaの大規模言語モデル(LLM)のLlama 2ファミリーをサポートすると発表した。Metaは同日に研究と商用向けに無償での提供を開始しており、Llama 2のウェブサイトからモデルをダウンロードできる。

Llama 2は2023年3月に発表されたLlama 1を改良したもの。提供されるモデルはパラメーター数により7B、13B、および70Bパラメータモデルの3種類があり、さらに事前学習をしたバージョンと、チャット用のバージョンがある。

MicrosoftはMetaのLlama 2優先パートナーとなった。AzureにLlama 2を統合すると、ユーザーはモデルを簡単に微調整して展開できるようになる。Azure AIは、モデルのトレーニング、微調整、推論のための強力なツールを備えており、Llama 2の可能性を最大限に活用するための理想的なプラットフォームだとMicrosoftは述べている。

さらに、Llama 2のサポートがWindowsに拡張され、ローカルで実行できるように最適化される。Windows開発者は、ONNXランタイムを介してDirectML実行プロバイダーを使ってLlma2の生成AI機能をシームレスに統合できるようになるという。

MetaとMicrosoftの提携は以前から強固であり、機械学習モデルを表現するために使用されるオープンソースのONNXランタイムとPyTorchの統合や、戦略的クラウドプロバイダーとしてのAzureの選択など、AIに関しても深い関係にある。AzureおよびWindowsでのLlama2の導入により、主要なAIスーパーコンピューティングプラットフォームとしてのMicrosoftの地位が強化され、オープンモデル エコシステムが拡大するとみられる。

Llama 2と並んでMicrosoftはBing Chat EnterpriseとMicrosoft 365 Copilotの価格も発表した。Bing Chat Enterpriseは、商業データ保護機能を備えたAIを活用したチャットを提供し、組織内のユーザーデータとビジネス データのセキュリティーとプライバシーを確​​保する。一方、Microsoft 365 Copilotの価格はユーザー当たり月額30ドルで、Microsoft GraphおよびMicrosoft 365アプリ内のビジネスデータを推論するための包括的なソリューションを提供する。

また、Microsoft AI Cloudパートナープログラムの開始発表も、Microsoft Inspire 2023のもう1つのハイライトだ。コラボレーションを促進し、パートナーがMicrosoft AIとMicrosoft Cloudを活用して顧客価値を提供できるようにする。