ソーシャルメディアの巨人Facebookの母体であるMetaは、AI(人工知能)分野で顕著な進歩を達成したと発表した。この進展は、画像および動画の解析方法に画期的な変化をもたらす可能性がある。研究チームが開発したSegment Anything Model (SAM) は、トレーニングデータに含まれていないアイテムであっても、画像や動画内の物体を驚異的な精度で特定できる能力を持つ。

この技術革新は、小売、ヘルスケア、自動運転といった分野において、重大な影響を及ぼすことが予測されている。SAMモデルは、画像クリックやテキスト入力による物体選択を可能にするユーザーフレンドリーな設計で注目を集める。デモンストレーションでは、「cat」と入力するだけで、写真内の猫を自動で識別する様子が示された。

さらに、Metaは画像注釈付きの大規模データセットも公開しており、これは同種のものとしては世界最大級を誇る。このデータセットは、他のAIモデルのトレーニングに使用され、精度と信頼性における新たな基準を打ち立てることが期待されている。

SAMモデルとデータセットは、非商用目的での利用が可能であり、研究者や開発者が新たなアプリケーションを創出することをMetaは奨励している。FacebookやInstagramでの活用事例を超え、医療画像分析、パーソナライズされたショッピング体験、自動運転の安全性向上など、SAMモデルの応用範囲は広大である。

MetaのCEO、Mark Zuckerbergは、単なるデータ分析を超えたジェネレーティブAIの開発にも注力していることを強調。これにより、パーソナライズされたコンテンツの生成など、さらに多岐にわたる用途が開拓されることが期待される。SAMモデルの公開はAI技術の重要な節目であり、多くの業界に革新をもたらす可能性を秘めている。

ソース:Meta Blog