国家研究能力を強化するための重要な取り組みとして、米国国立科学財団は国家人工知能研究リソース(NAIRR)パイロットプログラムを開始した。この共同作業には、10の連邦機関と、民間部門、非営利団体、慈善団体のさまざまな組織が参加している。NSFディレクターのセトゥラマン・パンチャナサン氏は、米国におけるAIの将来にとってこの取り組みの重要性を強調し、世界舞台での国の競争力維持におけるその役割を強調した。

NVIDIAは、今後2年間で3,000万ドル相当の多額の技術貢献を約束しており、これによりパイロットプログラムの範囲が拡大されることが期待されている。NSFのディレクターであるケイティ・アンティパス氏は、基礎的なAI研究の促進、多様なコミュニティーへのAIの到達範囲の拡大、最終的な本格的な打ち上げに向けたNAIRRの設計の改良など、パイロットの目的について概説した。

NVIDIAとの提携により、科学コミュニティー内のAIリテラシーとスキルの向上を目的とした、教育および労働力トレーニングプログラムの強化が予定されている。NVIDIAの創設者兼CEOのジェンセンフアン氏は、AIの変革能力への幅広いアクセスの重要性と、NAIRRパイロットのビジョンを実現する上でのパートナーシップの役割を強調した。この提携により、研究者からのフィードバックを利用して、NVIDIAのテクノロジーを科学用途に向けて微調整することも可能になる。

NAIRRの試験運用は、連邦政府のパートナー連合が共同戦線を示し、AI研究を推進する米国政府の取り組みの証しだ。この取り組みは、90日以内にNAIRRの試験運用を開始することを義務付けたバイデン大統領の大統領令14110号に沿ったものである。このプログラムは、過小評価されている人々にサービスを提供する機関に焦点を当て、研究者や教育者に高度なコンピューティングリソースへのアクセスとサポートを提供するように設計されている。試験運用が進むにつれて、AIイノベーションを民主化し、信頼できるAIの開発を促進する将来の投資の準備を整えることを目指している。

ソース:NVIDIA Newsroom