マーケティングオートメーションツールを提供しているHubSpot Japanは、日本のマーケティングとセールスの分野での生成AIの活用に焦点を当てた調査を実施し、その結果を発表した。 この調査は、日本でマーケティングまたは営業職に就くビジネスプロフェッショナル1000人を対象としたもの。

調査の要点は次の通り。

  1. マーケティングと営業のビジネスプロフェッショナルの55.6%は、生成AI について聞いたことがない、または知らないと回答した。 仕事で生成AIを使っていると報告した回答者はわずか13.2%だった。
  2. 生成AIをビジネスに活用する際の主な懸念点は、生成される情報の「正確性」と「信頼性」。 最も懸念されるのは情報の正確性について不確実なこと(45.6%) で、次いで潜在的な著作権および法的問題への懸念(27.2%)、情報源を特定できないこと (24.3%)が続いた。
  3. 購入者の視点から見ると、コンテンツが正確であれば、AIが生成したものでも人間が作成したものでも、約3割が「気にしない」と回答した。

HubSpot Japanのシニア マーケティング ディレクターである伊佐裕也氏は、調査結果について「HubSpotとしては、業務における生成AIの具体的用途やそのメリットのイメージがついていないことが背景にあると考えており、まずはマーケターやセールスパーソンが具体的ユースケースイメージを持てるよう、当社が提供する『コンテンツアシスタント』や『ChatSpot.ai』の活用例発信を強化していきます」とコメントしている。

同社が世界各国を対象に実施した別の調査では、生成AIの活用について、自社の効率化だけでなく顧客のニーズに目を向けながらゴールを設定することが重要と示唆しているとのことだ。一方で、日本での本調査では生成AIに業務効率の向上を期待すると答えた人は16.3%に留まっており、「顧客ニーズを踏まえた生成AI活用」の前に、自社にとっての便益が模索されている状況だという。

HubSpot Japanは、今後も日本における生成AIの利用状況や意識を理解し伝えるためにこの調査を継続するとともに、AI技術を組み込んだ自社製品の開発をさらに進めていくとしている。