2023年7月19日にSalesforceは、Einstein GPT Trust Layerによって強化された、販売およびサービス向けのGPTを利用した機能と価格を発表した。一方、2023年7月20日に同社が報告した、4000人超のITリーダーを対象とした世界的な調査では、需要の高まりとAIと自動化の重要性の増大に企業がどう対応しているかが明らかになった。

パーソナライゼーションのためのセキュアGPT機能を強化

まず7月19日のリリースによると、Salesforceは、Einstein GPT Trust Layerによって保護された、営業およびサービス向けに設計されたGPTを利用した機能(Service GPTやSales GPT)の一般提供と価格を発表した。これらの機能により、組織はエンタープライズ セキュリティー標準に準拠した生成AIを使用して、生産性を向上し、顧客とのやり取りをパーソナライズできる。

Service GPTを使用すると、ユーザーはパーソナライズされた返信を自動的に生成し、将来の参照のために顧客とのやり取りを要約できる。一方、Sales GPTでは、Salesforceに保存されているコンテキストに応じた顧客データに基づいて、AIによって生成され、パーソナライズされた顧客メールを送信できる。

SalesforceのAIソリューションにはEinstein GPTの機能が組み込まれている。これは顧客データがSalesforce内だけに留まることを保証し、サードパーティーLLMプロバイダーによる保存やモデルのトレーニングへの使用を防ぐ。重要なデータセキュリティーとコンプライアンスの保護機能を提供し、組織が信頼を維持しながら顧客とのやり取りをパーソナライズできるようにする。

特に、従業員は生成AIから大きなメリットを期待しており、68%が生成AIによって顧客サービスが向上し、週平均5時間の節約になると考えている。しかし、73%はセキュリティーリスクについても懸念を表明しており、Salesforceが提供するような信頼第一のAIテクノロジーの重要性を強調している。

Einstein SKUを含むUnlimited Editionを購入した顧客には、Sales GPTとService GPTの価格はユーザー当たり月額50ドルから始まる料金で提供する。その料金には一定数のEinstein GPTクレジットが含まれる。使用量が増えるにつれて、顧客は営業チームとサービス チームのためにEnterprise Expansionパックを購入できる。

CRS Temporary HousingやSumUpなどの企業からは、顧客とのやり取りや業務効率の向上にSales GPTとService GPTが有効だと評価されている。

ITリーダーは需要の高まりに対応するためAI採用を検討

一方2023年7月20日に同社が公表した4000人を超えるITリーダーを対象とした調査によると、各企業が需要の高まり、セキュリティーの脅威、AIと自動化の重要性の増大にどう適応しているかが明らかになった。この調査(調査レポート全文へのリンクはこちら)によると、ITリーダーの74%が、企業からの短期的な需要が増加し、能力を超過したチームに負担がかかると予想していることが分かった。しかし、ITリーダーの86%は現在、生成AIが将来の変革のための優れたソリューションであると考えている。

この調査によると、ITリーダーの64%が組織におけるAIの役割について明確な見解を持っており、生成AIは顧客と従業員のエクスペリエンスを向上させる「ゲームチェンジャー」としての認識が高まっている。AIの可能性に対する熱意は高まっているが、倫理的な影響やキャリアへの潜在的な影響に関する懸念は依然としてまん延している。

セキュリティーの脅威が増大する中、ITチームはさまざまなセキュリティー戦術を採用しており、ITリーダーの67%がビジネス目標とセキュリティー目標のバランスをとることに課題があると報告している。さらに、IT組織の62%がビジネス需要を満たすのに苦労しており、今後18力月でその需要は増加すると予想されている。