ABEJA(東京都港区)は、2024年6月2日に「COMPUTEX TAIPEI 2024」に先駆けて行われたNVIDIAの基調講演で、NVIDIA NIMをABEJA Platformに導入すると発表した。同社は経営理念に「ゆたかな世界を、実装する」を掲げ、ABEJA Platformを通じて顧客企業の業務プロセスを変革し、収益成長を支援するデジタルプラットフォーム事業を展開している。

昨年7月には、NVIDIA A100 Tensor コア GPUを使用して学習させた日本語特化の大規模言語モデル(LLM)を発表し、今年3月からはそのLLMを応用した「ABEJA LLM Series」をプラットフォームに搭載し、顧客に提供している。また、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に採択され、日本語LLMの研究開発を進めており、「NVIDIA H100」も活用している。

NVIDIA NIMは、企業の生成AIの展開を加速するために設計されたマイクロサービスのセットであり、幅広いAIモデルをサポートし、オンプレミスやクラウドでのAI推論を実現する。ABEJAは、NVIDIA NIMを活用した機能やサービスの開発を進めていく予定だ。

ABEJAは、LLMの社会実装における精度とコストの課題に取り組んでいる。LLMは学習データに基づくアウトプットを出すが、新情報に対する精度は低く、再学習には大規模な計算リソースとコストが必要だ。この問題に対し、ABEJAはRAGやAgent機能などの周辺技術の研究開発を進め、費用対効果の高いLLMの提供に努めている。NVIDIA NIMは、LLMの社会実装を支援し、エンタープライズ サポートを通じて高度なセキュリティと専門知識を顧客に提供する。

出典:プレスリリース