Citadel AI(東京都渋谷区)は、セキュリティー監視やパブリックセーフティなどの各分野に欠かせないセンシングソリューションの世界的なリーディングカンパニーであるi-PRO(東京都港区)向けに、セキュリティー監視用AIアプリケーションの信頼性・品質向上を支援する「Citadel Lens」の提供を開始すると発表した。AIは、多くのセキュリティーカメラから収集した大量のデータを、高速かつ効率的に分析処理し、セキュリティーカメラの映像から人物、車輌やさまざまな物体を自動でリアルタイムに検出し、識別できる。これにより、必ずしも人の目で確認することなく、不審な物体や行動を素早く検出し、迅速な対応を支援し、潜在的な脅威を迅速に排除することが可能となるという。

しかし、セキュリティー監視用のAIアプリケーションは、さまざまな環境の中で、複数の物体を検出し識別することが求められる。物体の大きさや角度、明るさ、色合いなどは、撮影方法や外部環境によって、開発環境とは大きく変動する。こうした予期せぬ状況下で、多数の物体の中から目標とする物体を正確に検出し識別するよう、AIを学習させることは非常に困難であり、膨大な時間とコストを要する。適切な学習ができていない場合、技術的な品質問題、ビジネス上の損失に留まらず、人間の生命や安全、企業ブランド、さらには法制度や標準に対するコンプライアンスに関わる問題を引き起こしてしまうリスクが生じるとのこと。

Citadel Lensは、物体検出AIでは、物体の検出漏れ(失検知)、誤検知・過検知、バウンディングボックスの位置ずれ、あるいはクラス分類ミスといった問題を自動検出し、IOU・Recall・Precisionなどの指標に基づき、その原因を一つ一つの対象オブジェクトごとに容易に分析できる。また他社にない非常にユニークな機能として、各オブジェクトを選択して、個別にヒートマップ表示させた上で、その場で編集しシミューレーションすることも実現しており、​​従来では難しかった、対象オブジェクトごとに掘り下げた出力根拠の可視化により、なぜ未検知や過検知などが発生しているのか、容易に分析した上で、品質改善に役立てることが可能となるという。

Citadel AIは、Citadel Lensの提供を通じ、i-PROのセキュリティー監視AIアプリケーションの更なる信頼性・品質向上を実現する。i-PROの、テクノロジーエンジニアリングUX&AI開発AIアプリケーションチームの島田健史様は、「私たちのビジョンは、製品やサービスの提供を通じて、社会の安心安全に貢献する、新しい価値を創造し続ける企業になることだ。Citadel AIと連携することで、AIアプリケーションをさまざまな精度指標でリスク分析・評価を実施し、高い信頼性を実現することで、より安心安全な社会の実現に貢献することを楽しみにしている」と述べている。Citadel AIは、「信頼できるAI」の実現を通じて、今後も社会課題の解決を目指して参ると述べた。

出典:プレスリリース