McKinsey & Companyは、New at McKinsey Blogの最新の記事で、AI開発ツールの包括的なスイートである「QuantumBlack Horizon」を公表した。QuantumBlack Horizonは、生産システム、技術スタック、運用モデルを一貫して工業化することで、AIから価値を実現する上で多くの組織が直面している課題を解決することを目的としているという。

同社の市場調査によると、相当数のデータサイエンス・プロジェクトが、現場での生産・活用に至らないそうだ。マッキンゼーのQuantumBlack Horizonスイートは、このギャップを埋め、組織がAIと機械学習を運用し、具体的な価値と影響をもたらすことを可能にすることを目的としている。

このスイートは、50以上の拠点に250人以上の技術者と1300人以上のデータ科学者からなるイノベーションハブであるQuantumBlack Labs内に構築されている。機械学習技術のリーディングカンパニーであるIguazio社の買収など、過去3年間にわたるマッキンゼーの技術人材と研究開発への投資を活用しているという。

QuantumBlack Horizonは、組織のAIイニシアチブをサポートするために設計された、さまざまな機能と特典を提供する:

  1. AI戦略策定: このスイートは、ビジネス目標に沿ったAI戦略を構築するためのガイダンスを提供する。潜在的なAIユースケースの特定、関連するデータソースの決定、実装のためのロードマップの策定を支援しする。
  2. データおよびインフラの最適化:McKinseyのデータ分析に関する専門知識を基に、データの収集、保存、処理のインフラを最適化するソリューションを提供しする。これにより、組織はAIの導入をサポートし、データから価値ある洞察を引き出すために必要なインフラを確保できる。
  3. AIタレントの獲得と育成:AIイニシアチブを推進するためには、熟練した専門家が重要であることを認識し、このスイートには、組織内のAI人材を引き付け、雇用し、育成するためのリソースとサポートが含まれている。トレーニングプログラム、人材獲得戦略、データドリブンな文化を醸成するためのベストプラクティスなどが含まれる。
  4. パフォーマンスモニタリングとガバナンス: AIイニシアチブの成功と持続可能性を確保するために、このスイートはAIモデルのパフォーマンスを監視し、バイアスを検出し、倫理的で責任あるAI展開を確保するためのツールとフレームワークを提供する。これにより、組織はAIシステムにおいて高い水準の説明責任と透明性を維持できるという。

ブログの中で、QuantumBlack Labsのシニアパートナー兼グローバルリーダーであるMatt Fitzpatrickは、AIイニシアティブにおける現場でのパフォーマンスの重要性を強調している。AIで車のパフォーマンスを向上させたF1レースの例を引用して、ライブテストと学習サイクルと継続的改善の価値を強調している。