NVIDIA BioNeMoは、製薬および生物学の研究者向けに強化された生成AIツールキットを導入し、高度な治療法の開発を支援する新しいモデルとアクセス方法を提供する。更新されたBioNeMo基盤モデルは、DNA配列を分析し、薬剤に反応したタンパク質の形状変化を予測し、RNAデータから細胞機能を決定するように設計されている。これらのモデルは、推論モデルのコレクションであるNVIDIA NIMを通じてマイクロサービスとして利用できるようになり、NVIDIA AI Enterpriseプラットフォーム経由でアクセスできるようになった。

同社はまた、BioNeMoモデルが、医療およびライフサイエンス組織が生物学的データを管理および分析するために調整されたサービスであるAWS HealthOmicsで間もなく利用可能になることも発表した。この統合により、創薬チームはワークフローに生成AIを組み込むことが可能になり、仮想的に薬物分子を設計する能力が強化され、物理実験への依存が軽減される可能性がある。

新しい製品の中には、BioNeMoの最初のゲノミクスモデルであるDNABERTがあり、ゲノム機能を予測し、遺伝子変異を分析するようにトレーニングされている。もう1つの今後のモデルscBERTは、遺伝子ノックアウト効果の予測や細胞型の特定などのタスクを支援する。さらに、EquiDockは、薬効を決定する重要な要素であるタンパク質相互作用を予測できる一連のモデルに加わる予定だ。

NVIDIAのNIMカタログには現在、3D医薬品候補構造予測のDiffDockやアミノ酸配列からのタンパク質構造予測のESMFoldなど、20を超えるヘルスケアAIマイクロサービスが掲載されている。別のNIMサービスであるMolMIMは、ユーザー定義のプロパティを持つ薬剤候補を生成する。これらのマイクロサービスには、AWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructureなどのさまざまなクラウドプラットフォーム上のNVIDIA AI Enterpriseを通じてアクセスできる。

世界中で100社を超える企業がBioNeMoを活用したAIを創薬プロセスに統合している。著名なユーザーには、アステラス製薬、Cadence、Iambic、Insilico Medicine、Recursion、およびTerray Therapeuticsが含まれており、それぞれが分子シミュレーションから低分子設計に至るまでのさまざまなアプリケーションにプラットフォームを利用している。最新のAIとヘルスケアのイノベーションはGTCコンファレンスで紹介されており、NVIDIAのヘルスケア担当副社長であるKimberly Powellがヘルスケア分野の生成AIについて特別講演を行った。

ソース:NVIDIA Newsroom