ロボティクス分野で機械学習が進化し、生成AI技術が広がる中、基盤モデルがロボットの能力を高めている。Omdiaによると、AIチップセット市場は全世界で約8億6,600万ドルに達する見込みだ。GoogleやMeta、OpenAI、トヨタなどがロボティクスアプリケーションに基盤モデルを試験的に導入し、中国のCloudMindsやOrionStarも独自のモデルを開発中だ。

GenAIは大量のリソースを必要とし、そのためクラウドでの導入が一般的だ。しかし、ロボットはローカル処理に優れ、リアルタイム制御や超低遅延応答が求められる。NVIDIAのGPUは引き続き適したAIチップセットアーキテクチャーだが、QualcommやIntel、AMDなどもAIシステムオンチップや専用AIチップセットをリリースしていると、OmdiaのLian Jye Su氏は指摘する。

ヒューマノイドロボットの人気がGenAIの普及に伴い急上昇している。Agility RoboticsやBoston Dynamics、Teslaなどが産業やサービス向けのヒューマノイドロボットを発表しているが、この技術はまだ発展途上であり、今後5年間での大規模な普及は見込まれていない。一方で、無人搬送車や自律移動ロボットは成熟した分野とされる。

業界は、データと技術の基盤構築に集中すべきだとSu氏は述べる。ロボティクスベンダーは、低電力GenAI機能の強化とリアルタイム制御に力を入れるべきだ。また、固有の領域に特化したGenAIモデルの開発と、倫理、セキュリティー、安全性、パフォーマンスの厳格な監視が、GenAI対応ロボットの普及に貢献するだろう。Informa Tech傘下のOmdiaは、企業のスマートな成長を支援するテクノロジー調査・アドバイザリーグループだ。

出典:プレスリリース