国連のAntónio Guterres事務総長は7月6日、AIが全人類に利益をもたらすようにするために、AI分野において規制が必要だと強調した。Guterres氏は、AIは包括的なものであり、既に接続されている人々だけでなく、オフラインのままの多数の人々にも利益をもたらすものでなければならないず、AI導入の指針となる規範について合意に達することが急務だと述べた。

同氏はジュネーブで国際電気通信連合(ITU)が主催した「AI for Good」グローバルサミットでこの発言をした。このサミットには、政府、国連機関、市民社会、AIイノベーター、投資家などのさまざまな関係者が集まり、AIが持続可能な開発目標(SDGs)の達成にどのように貢献できるかを検討した。

ITU Secretary-GeneralであるDoreen Bogdan-Martin氏も、潜在的な危害を軽減しながらAIがその可能性を最大限に発揮できるようにするための世界的な協力を呼びかけた。彼女は、人類がSDGsの達成において現在軌道から外れている中、AIを使用して進歩を加速することが共通の責任となっていると強調した。

Bogdan-Martin氏は、AIを活用して病気の治療法を見つけ、クリーンエネルギーの生産を増やし、農家の作物収量向上を支援できるという理想的なシナリオを描いた。 ただし、就業機会の喪失や偽情報の拡散など、AIに関連するリスクも認めた。彼女は、より裕福な国だけがAIの恩恵を受け、他の国が取り残される未来について警告した。

国連のhuman rights chiefであるVolker Türk氏は、生成型AIの急速かつ無規制な進歩について警告した。同氏は、AI技術の開発において人間の主体性、尊厳、権利を考慮する必要があると述べた。

Bogdan-Martin氏は、AIサミットはAIガバナンスを提唱し、その展開が包括的で安全かつ責任あるものであることを保証する重要な時期を迎えたと述べた。彼女は、AIの将来はまだ決定されておらず、集団的な行動が必要であると主張した。

国連のリリースは、「Robotics for Good」展示会で展示された50台以上のロボットがサミットに登場したことにも触れている。これらのロボットは、医療、教育、廃棄物の削減、災害対応、障害のある個人の支援をサポートする可能性を実証した。 一部の人型ロボットはイベントで「スピーカー」としても登場し、高齢者向けの介護能力や仲間としての能力を披露した。