富士通(東京)は、経済産業省の「GENIAC」プロジェクトの一環として、NEDOが公募した研究開発事業に採択された。大規模言語モデル(LLM)の研究開発を開始すると発表。業務特化型の生成AIを提供することを目指し、計算量やコスト、精度の課題に対応するための研究を進める。

同社は「富岳」を用いた日本語能力に優れた「Fugaku-LLM」の開発を行っており、今後は業種や業務に特化したLLMの開発を強化する。生成AIの業務活用における二つ目の課題として、信頼性の担保が挙げられる。現行のLLMは幻覚の問題があり、信頼性が求められる業務への導入が進まない状況だ。

富士通は、ナレッジグラフを用いた新技術の開発に着手。ナレッジグラフを追加入力することで、LLMが業務知識に従ってより正確な回答をすることが可能になる。2024年度中の業務活用を目指し、幻覚検出技術を強化する。ナレッジグラフに関する10年以上の研究開発経験を活かし、法務、金融、医療分野でのLLM適用が期待される。

富士通は、ナレッジグラフ生成LLMとナレッジグラフ推論LLMの開発を進める。両特化型LLMに共通する事前学習済みLLMの開発から始め、自然言語文書とナレッジグラフの対訳コーパスを事前学習データに追加する。今後、開発成果はHugging FaceやGitHub、同社技術ブログ、GENIACコミュニティで公開予定。また、「Fujitsu Kozuchi」にも搭載する計画だ。

出典:プレスリリース