PKSHA Technology Inc.は、日本マイクロソフトと提携し、先駆的な日本語-英語大規模言語モデル(LLM)の開発を発表した。Retentive Network(RetNet)アーキテクチャーを活用したこの革新的なLLMは、生成AIアプリケーションの効率を高め、特にコンタクトセンターや企業のヘルプデスクの生産性を向上させる準備ができている。同社は、2024年4月からこのテクノロジーをさまざまなビジネス環境に導入する予定だ。

PKSHAが新たに開発したLLMは、広く使用されているTransformerの後継となることが期待されるモデルであるRetNetを組み込んだ初めてのLLMだ。Microsoft Research Asiaによって作成されたRetNetは、迅速な学習機能を誇り、精度を犠牲にすることなく、より高速かつメモリー効率よく長いテキスト入力を処理するのに優れている。この効率性により、モデルの動作に必要なGPUの数が少なくなり、よりコスト効率の高いソリューションが提供される。LLMの7Bパラメータサイズは、顧客サービス業務での使用を想定して、精度と運用コストのバランスをとるように特別に設計されている。

PKSHAのLLMは、日本の新聞2ページ分などの膨大なテキストを処理する際に、従来のモデルよりも最大3倍速く応答できるという優れたパフォーマンスを発揮する。この速度は精度を損なうことなく達成され、モデルのパフォーマンスは処理されるデータの量に応じて拡張される。LLMは、高度な並列分散処理を可能にするMicrosoft Researchのディープラーニング最適化フレームワークであるDeepSpeedを使用して開発された。MicrosoftのテクニカルサポートとAzureのAIインフラストラクチャーは、プロトタイプモデルの効率的なトレーニングと早期のパフォーマンス検証に役立っている。

2012年に設立されたPKSHAは、特にコミュニケーションに重点を置いたアプリケーションにおいて、自然言語処理(NLP)の研究とAI実装の最前線に立ってきた。6,000を超えるAI導入の印象的なポートフォリオを持つ同社は、新しいLLMを活用して、コンタクトセンターとヘルプ デスクの運用における存在感をさらに高めようとしている。PKSHAは、このLLMを人間とAIの共生関係を構築するための重要な要素と見なし、この統合を通じて人間の能力を強化することを目指している。実際のビジネスシナリオにおけるLLMの段階的な展開は、追加のテストと最適化を経て、この春に開始される予定だ。

出典:プレスリリース